鳥のさえずりよりキムチのさえずり
スープを飲むときは音を出してはいけない。これがやっかいだ。丸いスプーンでひと口ずつ“食べる”ように飲む。まあひと口ずつ“食べる”わけだから、味わいもあるのだろう。美味しければ手が止まらない早わざで口に運ぶが、美味しくなければひと口でスプーンを置く。「うん、これはなんて合理的なんだろう」。蕎麦をたぐる(食べる)時は大きな音を出していただくのが日本人としての美徳だ。箸でたぐってズ・ズーと口に入れそのまま飲み込むように食べる。向かいのテーブルの蕎麦をすする音が食欲をそそる。そう、蕎麦のさえずりは美味しい信号なのだ。
先週仕事でバンコクに行ったとき、村上龍の話題作「半島を出よ」を読んだ。北朝鮮の反乱軍が九州を占領してしまうという突拍子もない内容なのだが、読み進むうちに現実味を感じるほど迫真の描写だ。その本の中で韓国の諺「鳥のさえずりよりキムチのさえずり」が引用されていた。この意味は美女がキムチを食べる音は鳥のさえずりより美しい音色だという意味で、なるほどと感心してしまった。でもいくら美女でもスープや蕎麦を食べる時はさえずっていないだろう。今夜は家内とキムチを食べてみようと思う。目を閉じて聞く音は、さて・・・。
先週仕事でバンコクに行ったとき、村上龍の話題作「半島を出よ」を読んだ。北朝鮮の反乱軍が九州を占領してしまうという突拍子もない内容なのだが、読み進むうちに現実味を感じるほど迫真の描写だ。その本の中で韓国の諺「鳥のさえずりよりキムチのさえずり」が引用されていた。この意味は美女がキムチを食べる音は鳥のさえずりより美しい音色だという意味で、なるほどと感心してしまった。でもいくら美女でもスープや蕎麦を食べる時はさえずっていないだろう。今夜は家内とキムチを食べてみようと思う。目を閉じて聞く音は、さて・・・。