コート・ダジュール
世界中のセレブリティが集まる夏のコート・ダジュール。モナコ公国から少し離れた場所にある「シャトー・エザ」は、中世にはスウェーデンの皇太子の別荘だったもので、地中海を望む岩山の海から垂直に切り立った崖の上に建つ。私は妻と少し遅めの夏休みを過ごすためこの地にやって来た。ここは迷路のような石畳の細い道に、石造りの民家が寄り添うように集まる通称「鷲の巣村」。中世の面影がどの佇まいにも秘められている。地中海の照りつける灼熱の太陽がチリチリと肌を刺す。30分おきに聞こえる教会の時を伝える鐘の音を緑と共に包まれたさわやかな風が通り過ぎる。まるで中世にタイムスリップしたかのような錯覚に陥る自然の演出が、私たちの心を癒してくれる。
今宵はモナコのホテル・ド・パリにあるアラン・デュカス氏の三つ星レストラン「ルイ・キャーンズ」でのディナーだ。料理に合うパンと、世界が絶賛する料理が楽しみだ。近くの教会の鐘が三つ鳴った。妻は地中海を望む花に囲まれた窓を全開にして午睡を楽しんでいる。「私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ」。詩人ジャン・コクトーはコート・ダジュールをこよなく愛したという。明日は一日コクトーを気取って詩でも詠んでみようか、それとも地中海で泳ごうか、どちらにしても贅沢を味わっている。
今宵はモナコのホテル・ド・パリにあるアラン・デュカス氏の三つ星レストラン「ルイ・キャーンズ」でのディナーだ。料理に合うパンと、世界が絶賛する料理が楽しみだ。近くの教会の鐘が三つ鳴った。妻は地中海を望む花に囲まれた窓を全開にして午睡を楽しんでいる。「私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ」。詩人ジャン・コクトーはコート・ダジュールをこよなく愛したという。明日は一日コクトーを気取って詩でも詠んでみようか、それとも地中海で泳ごうか、どちらにしても贅沢を味わっている。