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コラム 三寒四温

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アヒルの卵

 マレーシアには、特に南インドを中心としたインドに起源を持っているインド系のマレーシア人が多く住んでいて、食事前に手を洗い、右手を使って食事をする習慣があります。前回紹介したバナナの皮に包んだテイクアウトの「バナナ・リーフ・ライス」と呼ばれて最も多くの人に食されているカレー弁当も同じで、公園のベンチで陽を浴びながら右手で食べると、食本来の旨さが感じられるのが不思議で、なるほど! マレー料理のカレーがインドのカレー料理と同じくらいにおいしいのが理解できます。前回紹介したカレー店は「TARA・RESTAURANT」。だれもが知っている超有名店でした。あっ、そうそう例の1m近くある巨大三角錐のナンの名前は忘れてしまいましたが、マレーシアのカレー料理店には、タンドリー窯を設置している店が少なく、タンドリーチキンもナンもごく一部のレストランでしかメニューにないのです。鉄板で焼く〝ナン風〟のパンの数々は次回、再取材の課題といたします。
  私は以前、シンガポールから夜行列車に乗ってクアラルンプール経由でペナン島の入口のバターワースで途中下車、そして翌日バンコクへと2泊3日の国際列車の旅を経験していますが、記憶に残る2つの事があります。1つはマレーシアの鬱蒼としたジャングルが広がる山間部をひたすら駆け抜ける列車の最後尾のドアを開け、飛び去る景色の美しさを眺め何時間もそこに座っていた記憶。そしてもう1つは朝食の駅弁です。多分50円くらいで買い求めたバナナの葉にくるまれた弁当はカレーを連想させますね。ところが開けたらびっくり! 長粒米のご飯の上には赤い唐辛子が3本とピーナツが7粒乗っているだけ。周りで食べているマレーシア人を見れば唐辛子をつまみにご飯、ピーナツを一粒口にしてご飯と、おかずの入れ忘れではないようです。少々物足りないので食堂車まで出向いて、一品のメニューしかない朝定食をオーダーしたのですが、これまた弁当の内容と全く同じなのには2度びっくりして〝郷に入れば郷に従え〟とばかり、食してみると、空腹の胃を刺激して、元気が出てくるような、そして違和感も抵抗感もなく一粒の米を残すことなく完食したものです。昼に着いた駅では、四角い弁当箱みたいなものを売り子が列車の窓に箱を差し上げながら大きな声で売り込んでいます。周りの人も買い求めたので私も1つ買ってみました。今度はどんな弁当だろう?箱を開けてびっくり! 巨大なアヒルの生卵が6個も入っていました。驚いている私をニヤニヤしてみていた隣のマレー人に「これどうすんの」とたずねると、「お土産、家族が喜ぶんだ。孵化寸前でおいしいよ」との答えに思わずプレゼントしてしまったという記憶。
  もう一度チャンスがあったら、この列車で今度はバンコクから下ってみたい私です。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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