串天ぷら
6月1日に大阪、北新地のイタリアレストランにてベーカーズタイムス社、山村一政前社長のお別れ会が開催され、全国各地より、氏と親交が深かった約百名の業界人が追悼写真の飾られた祭壇に麦の穂を献花して私も最後のお別れをしました。
さて、久々の大阪で北新地となれば、山村さんも愛したこの街で供養のためにも食って飲むか!という訳でありまして今回は新地一丁目にある小洒落た串天ぷらの店「ひろ木」の暖簾をくぐりました。〝串カツ〟ではなく〝串天ぷら〟にこだわるこの店は店内に入ると、一瞬高級な寿司屋のような佇まいで、白木のカウンターの上にはガラス張りのタネ入れの冷蔵ケースが置いてあります。今日は、モデルをしているご主人のお嬢さんも手伝いに来ていて店内に華を咲かせています。注文はもちろん〝店主おすすめコース〟です。こぼれんばかりに注がれた店主おすすめ、限定3杯迄の麦焼酎のロックに口を運んで啜ってから、いざ戦闘開始!次から次へと串天ぷらがひと節に切られた孟宗竹の中に金網を置いた器に串揚げが置かれてゆきます。この店のルールは「もういいよ」というまで、延々と串が出てくるのです。最初の一品は車海老4本!「たっぷりの塩にレモンを絞って溶かしてから少し付ける」店主から指示がとびます。「左のソースにはキャベツを手で千切って付けて食べてね。田楽味噌はお好みで!」串を置く度に指示がとびます。「海老は尻尾まで全部食べてね」「はい、万願寺唐辛子1本揚げ!」天ぷら紙に半分包まれて、これは手渡しです。ここの揚げ油は太白ごま油でしつこくありません。だから「はい、ここまで」が言えずどんどんいけちゃいます。新玉ネギとニンニクの串は最高の相性ですね。太いアスパラ一本揚げも紙に包んで「ホッホッ」と穂先からかぶりつきます。12~13本も一気に食べるとお腹も満足してきて「ここいらで休憩します」と店主に宣言。すると店主は「口直しに、レバーの薄切りと自家製そばを食わなくちゃ、帰さないよ」と中ばおどされて「はい、お願いします」。最初に出てきた牛レバー刺しはフグ刺しよりも薄くスライスされていて、浅葱の小口切りと塩、レモン、ごま油だけの味付けが食道の油を油で洗うような、すがすがしいデザートのごとき一品でした。最後に出された7種の漢方薬が練り込まれた自家製のそばは店主のお嬢さんが私の横で〝とろろ〟と〝鶉の玉子〟を割り入れて手際よく超スピードでかき回して供してくれました。「はい、どうぞ!」泡だらけのそばをズルッズルッと大ぶりに口にほおばれば「な、なんなのだ、このそばは!」箸を休める間もなく一気に完食してしまいました。「串カツの店なのに、そばの名店を越えている!」、「ひろ木」ただ者ではありません。40年の歴史が今も味を伝えています。
さて、次は山村さんが愛した新地のラウンジで一杯飲んで帰るとしますか。
さて、久々の大阪で北新地となれば、山村さんも愛したこの街で供養のためにも食って飲むか!という訳でありまして今回は新地一丁目にある小洒落た串天ぷらの店「ひろ木」の暖簾をくぐりました。〝串カツ〟ではなく〝串天ぷら〟にこだわるこの店は店内に入ると、一瞬高級な寿司屋のような佇まいで、白木のカウンターの上にはガラス張りのタネ入れの冷蔵ケースが置いてあります。今日は、モデルをしているご主人のお嬢さんも手伝いに来ていて店内に華を咲かせています。注文はもちろん〝店主おすすめコース〟です。こぼれんばかりに注がれた店主おすすめ、限定3杯迄の麦焼酎のロックに口を運んで啜ってから、いざ戦闘開始!次から次へと串天ぷらがひと節に切られた孟宗竹の中に金網を置いた器に串揚げが置かれてゆきます。この店のルールは「もういいよ」というまで、延々と串が出てくるのです。最初の一品は車海老4本!「たっぷりの塩にレモンを絞って溶かしてから少し付ける」店主から指示がとびます。「左のソースにはキャベツを手で千切って付けて食べてね。田楽味噌はお好みで!」串を置く度に指示がとびます。「海老は尻尾まで全部食べてね」「はい、万願寺唐辛子1本揚げ!」天ぷら紙に半分包まれて、これは手渡しです。ここの揚げ油は太白ごま油でしつこくありません。だから「はい、ここまで」が言えずどんどんいけちゃいます。新玉ネギとニンニクの串は最高の相性ですね。太いアスパラ一本揚げも紙に包んで「ホッホッ」と穂先からかぶりつきます。12~13本も一気に食べるとお腹も満足してきて「ここいらで休憩します」と店主に宣言。すると店主は「口直しに、レバーの薄切りと自家製そばを食わなくちゃ、帰さないよ」と中ばおどされて「はい、お願いします」。最初に出てきた牛レバー刺しはフグ刺しよりも薄くスライスされていて、浅葱の小口切りと塩、レモン、ごま油だけの味付けが食道の油を油で洗うような、すがすがしいデザートのごとき一品でした。最後に出された7種の漢方薬が練り込まれた自家製のそばは店主のお嬢さんが私の横で〝とろろ〟と〝鶉の玉子〟を割り入れて手際よく超スピードでかき回して供してくれました。「はい、どうぞ!」泡だらけのそばをズルッズルッと大ぶりに口にほおばれば「な、なんなのだ、このそばは!」箸を休める間もなく一気に完食してしまいました。「串カツの店なのに、そばの名店を越えている!」、「ひろ木」ただ者ではありません。40年の歴史が今も味を伝えています。
さて、次は山村さんが愛した新地のラウンジで一杯飲んで帰るとしますか。