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コラム 三寒四温

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芋焼酎

 チュニジア共和国のナショナル・デーが3月20日の独立記念日にホテルオークラ東京にて開催されました。前駐日特命全権大使のヌルディーン・ハシェッドさんがジャスミン革命により帰国されてから、もう3年にもなるんだな、と後任大使の挨拶を聞きながら感慨にふけります。

 2011年1月末のことでした。

「革命に従って、私は母国に帰るよ」。

 身の安全が保障されない政情不安のさなか、機敏で勇気ある選択でした。帰国前日の深夜まで彼の部屋で酒を酌み交わした時の事を思い出します。彼の父は貧困の民を救おうと敢然と立ちあがりフランスからの独立に貢献した建国の父としても有名な方なのですが、独立直後に反対勢力から暗殺されました。その息子、ヌルディーンさんは革命を生涯で2度、体験したのです。あれから何度か電話をいただきました。公職ではなく“大統領代行”という身分で近隣諸国を巡っているとか。「近いうちに日本に行きたいね」と電話口から大好きなキューバ産のシガーの香りが漂ってくるような、元気な声に「無事でよかった」と安堵しました。

 ヌルディーンさんが帰国された翌々月の3月11日、東日本大震災が発生、東北をはじめとした東日本各地に甚大な被害をもたらしました。その直後にチュニジア本国から在日大使館に電話が入ります。「できる限りの援助を行うように」。大統領代行のヌルディーンさんからのメッセージに代理大使をはじめ関係者は速やかに行動します。2011年4月15日に石巻に向け届けられた7トンにも及ぶ支援物資は、父の遺伝子を継ぐヌルディーンさんからの熱いメッセージでもありました。
(弊誌2011年4月25日号「三寒四温『ハレルヤ』」参照)

 大使の挨拶に続いて、国会議員の先生方が次々と壇上に上がります。腰痛がジワジワと攻めてきました。そろそろ退散するとしますか、と出口のドアに向かうとクエート国のオティビ大使が満面の笑みで両手を大げさに広げて近づいてきました。モロッコ王国のアルール大使もご一緒です。「お元気ですか?」とグラスを鳴らしてウインクする癖は変わりません。

「今度ねえ、おいしい芋焼酎、手に入りました。うちで飲みましょう」。

 その前に4月16日には、弊社主催の親善ゴルフ会を大使の皆さんもお誘いして、程ヶ谷カントリー倶楽部で行います。「コンペで飲みましょう」「そんなにたくさんはありませんね(笑)」。国交友好のお伴は世界共通ですね。

 東京は桜が満開となりました。桜前線は国境を越えて、そろそろワシントンの開花が話題になりそうです。中東の各国にも桜を植林すれば、本当の意味での〝アラブの春〟が訪れるのではないでしょうか。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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