夫婦円満
「最近物忘れがひどくなった気、しない?」
「そうね」。
しばらく考えてから家内は応じた。目の前のテレビが騒がしい。最近購入したLEDのテレビは色がきれいなのだが、とにかくテレビ番組の内容がお粗末だ。お馬鹿を売り物にするタレントがキャッキャッいいながらクイズ番組ではしゃいでいる。こんなものを見る方もそうだが、情けない限りだ。
「鳩山由紀夫!そうそう、ユキオだよユキオ!」と、いきなり私が大きな声を出したのでリビングの端で寝ていた愛犬がビクッと立ち上がってそばに寄ってくる。愛犬の名はリュリュ。犬種はボーダーコリーのオスで4歳、黒い顔に白い鼻筋が通った髪の毛がフサフサした牧羊犬だ。“遠くの孫より近くの愛犬”ということで、夫婦二人で溺愛している。
鳩山由紀夫、どうって事はない。今朝の会話で二人して総理大臣の下の名前が分からず、調べもしないでそのままになっていたのだ。「いやはやお恥ずかしい限りだね」というと、家内はうなずきながらお気に入りの古伊万里のぐい飲みグラスに注がれた吟醸酒を飲み干して笑った。
とまあ三文小説風に我が家のひとコマを描写してみましたが、忘れたことを「まっいいか」で済ましてしまうと、脳の細胞の一部が死んでしまって元に戻らずボケにつながるという話を聞いてから、極力思い出すように努めているのですが、物忘れをしていることも忘れるほど。もう、お手上げ状態の昨今であります。
家内と外食をしたときなど、携帯電話を持って出るのをよく忘れることがあります。帰宅してから「携帯が無い!」と慌てふためく私。「ハイ、あなたの携帯ですよ」と、にこやかに渡してくれる家内。ちょっと意地悪な気もするのですが、一度華をもたせてあげました。忘れたフリをして。
「もう駄目ね、あなたは」。この笑顔が夫婦円満のコツではないでしょうか。
「そうね」。
しばらく考えてから家内は応じた。目の前のテレビが騒がしい。最近購入したLEDのテレビは色がきれいなのだが、とにかくテレビ番組の内容がお粗末だ。お馬鹿を売り物にするタレントがキャッキャッいいながらクイズ番組ではしゃいでいる。こんなものを見る方もそうだが、情けない限りだ。
「鳩山由紀夫!そうそう、ユキオだよユキオ!」と、いきなり私が大きな声を出したのでリビングの端で寝ていた愛犬がビクッと立ち上がってそばに寄ってくる。愛犬の名はリュリュ。犬種はボーダーコリーのオスで4歳、黒い顔に白い鼻筋が通った髪の毛がフサフサした牧羊犬だ。“遠くの孫より近くの愛犬”ということで、夫婦二人で溺愛している。
鳩山由紀夫、どうって事はない。今朝の会話で二人して総理大臣の下の名前が分からず、調べもしないでそのままになっていたのだ。「いやはやお恥ずかしい限りだね」というと、家内はうなずきながらお気に入りの古伊万里のぐい飲みグラスに注がれた吟醸酒を飲み干して笑った。
とまあ三文小説風に我が家のひとコマを描写してみましたが、忘れたことを「まっいいか」で済ましてしまうと、脳の細胞の一部が死んでしまって元に戻らずボケにつながるという話を聞いてから、極力思い出すように努めているのですが、物忘れをしていることも忘れるほど。もう、お手上げ状態の昨今であります。
家内と外食をしたときなど、携帯電話を持って出るのをよく忘れることがあります。帰宅してから「携帯が無い!」と慌てふためく私。「ハイ、あなたの携帯ですよ」と、にこやかに渡してくれる家内。ちょっと意地悪な気もするのですが、一度華をもたせてあげました。忘れたフリをして。
「もう駄目ね、あなたは」。この笑顔が夫婦円満のコツではないでしょうか。