いい塩梅
人生初となる梅干しづくりも土用を迎え、いよいよ佳境です。
レシピ通りにクッキングシート上に並べ干した紀州南高梅はプヨプヨしていて愛おしい。その一つひとつを丁寧に裏返します。
残りのシートには赤シソの葉を干しました。こちらは葉が固まってしまったので、ほぐしながら返し干しをしていると、小さなピンクの花びらが一つ紛れ込んでいます。「おや、もしや?」とベランダ上の軒先を見やると、「おや、まあ」、サルスベリの木の枝にはところどころにピンクの花が咲いているではないですか。暑い夏に身にまとうピンクの花は真夏の女王のドレスのように鮮やかですよ。辺りの樹木からはセミの鳴き声がミンミンと途切れることなく聞こえてきますが、桜の木を見上げて探しても見つけることが出来ません。
「アッ! そういえば」、ツクツクボウシはどうしたのだろう。
オーシン・ツクツク・オーシン・ツクツク・ツクツクボー・ツクツクボーシ。
まっ、そのうちうるさいほど聞こえてくることでしょう。
醤油に2週間ほど漬けた南高梅、これだけで本当にカリ梅ができるの? と我慢ができずに一つかじってみたのですが、あまりにもしょっぱいので醤油から取り出しておきました。しかし、カリカリ感はあるので土用に一緒に干してみたところ、意外としょっぱさが少し消えて甘くなってきたようです。ただ、シワシワになっているので、縁日のカリ梅とはまるで別物です。まあ最初はこんなものなのでしょう。翌日、そのシワシワのカリ梅の実をそいで梅ジャムを塗ったパンの上に散らして食べてみると、何でこんなにおいしいの!?
「いい塩梅とはこういうことなのね」
「うまいこと言うね」
「あら、そちらこそ」
と、夫婦でダジャレの応酬の後、昼にはソーメンを頂きましょう。
「待てよ、これは薬味にもなるのでは」と、荒みじんにしてつゆに入れ、ソーメンをズズーとすすると
「この爽快感と、あとを引くおいしさは何なのだ!」
「という事は、焼酎にも合いそうね」
「今宵はカリ梅のソーダ割りと洒落てみましょう」
レシピ通りにクッキングシート上に並べ干した紀州南高梅はプヨプヨしていて愛おしい。その一つひとつを丁寧に裏返します。
残りのシートには赤シソの葉を干しました。こちらは葉が固まってしまったので、ほぐしながら返し干しをしていると、小さなピンクの花びらが一つ紛れ込んでいます。「おや、もしや?」とベランダ上の軒先を見やると、「おや、まあ」、サルスベリの木の枝にはところどころにピンクの花が咲いているではないですか。暑い夏に身にまとうピンクの花は真夏の女王のドレスのように鮮やかですよ。辺りの樹木からはセミの鳴き声がミンミンと途切れることなく聞こえてきますが、桜の木を見上げて探しても見つけることが出来ません。
「アッ! そういえば」、ツクツクボウシはどうしたのだろう。
オーシン・ツクツク・オーシン・ツクツク・ツクツクボー・ツクツクボーシ。
まっ、そのうちうるさいほど聞こえてくることでしょう。
醤油に2週間ほど漬けた南高梅、これだけで本当にカリ梅ができるの? と我慢ができずに一つかじってみたのですが、あまりにもしょっぱいので醤油から取り出しておきました。しかし、カリカリ感はあるので土用に一緒に干してみたところ、意外としょっぱさが少し消えて甘くなってきたようです。ただ、シワシワになっているので、縁日のカリ梅とはまるで別物です。まあ最初はこんなものなのでしょう。翌日、そのシワシワのカリ梅の実をそいで梅ジャムを塗ったパンの上に散らして食べてみると、何でこんなにおいしいの!?
「いい塩梅とはこういうことなのね」
「うまいこと言うね」
「あら、そちらこそ」
と、夫婦でダジャレの応酬の後、昼にはソーメンを頂きましょう。
「待てよ、これは薬味にもなるのでは」と、荒みじんにしてつゆに入れ、ソーメンをズズーとすすると
「この爽快感と、あとを引くおいしさは何なのだ!」
「という事は、焼酎にも合いそうね」
「今宵はカリ梅のソーダ割りと洒落てみましょう」