旬の落花生
天高く馬肥ゆる秋
昔の人は言葉づくりがとても上手ですね。
秋は空が澄み、高く見えて、野の実りが多くなります。旬のおいしい食べ物が出回れば食欲の秋も全開で、馬も人もついつい食べ過ぎてしまいます。
食事のバランスと適度な運動は必要不可欠ですから、とりわけ人間様は気を付けなければなりません。でもでもサンマや秋シャケに梨、栗、銀杏、レンコン、そして松茸。旬のうまいものが続々登場してくるのには、五穀豊穣の神である宇氣母智命(うけもちのみこと)様にも何か特別な“思い”があるのかもしれませんね。
そんな秋に出回る、忘れてはならない一品といえば、落花生。
通常はピーナッツと呼ばれ、昔は南京豆とも言われていました。私は今の時期の落花生が大好きです。9月の終わり頃になると静岡では、普通サイズの倍近いジャンボ落花生が収穫されます。これは殻ごとアルデンテに塩茹でして食べるのが美味ですね。今の時期は有名な千葉県産の落花生が、小ぶりながら味はピカ一で加工用としても食品業界からひっぱりだこのようです。中でもピーナッツバタークリームは、ランチパックの一番人気商品でもありますし、帝国ホテルのピーナッツクリームは我が家のお茶の間に欠かせないパン食のよき友でもあります。
アメリカではどの家庭にも常備されている通称“ピナバラ”(ピーナッツバター)みたいに人気が広まりつつあるようです。砕いたピーナッツがたっぷり入った不二家のハートチョコレートはチョコレートが苦手な私でもバリバリと今でも食べる、懐かしいおやつです。
1年に2度、浅草の料理屋で日本製粉の専門紙記者懇談会が行われる時に必ず立ち寄り買い求める、浅草寺境内の「常盤堂」の雷おこしピーナッツ入りは昔から変わらぬ“シニアの味”というやつですね。パリッと頬張るとホワーッとなります。
さて私事ですが、10月22日より2週間、アフリカ大陸、中東のモロッコ王国とカルタゴ遺跡で有名なチュニジア共和国へ、おいしい料理と食材を探しに出張してきました。本コラムにてご紹介していきますので、お楽しみに!