9回裏2アウト
行って来ました東京ドーム球場。
今日のゲームは巨人VS広島です。
「いやー、それにしても超満員だね」
「本当ね。向かいの外野は赤一色で、ライト側はオレンジ一色よ」
年に一度くらいの割合で、野球と大相撲、サッカーを観に行くのですが、このくらいのペースですと、毎回、視界に飛び込んでくるもの全てが新鮮に写るんです。いや、脳が反応するんですね。声とも音ともつかない、“ウワーン”という、地響きすら感じさせる迫力、そして腹の底から絞り出すような「オー、オッ!」なんて声援に包まれると、自分も何かしなくては、という錯覚というかワクワクしてくるんですね。
家内は早速、ヘルメットとグローブを付けてマウンドを見やっています。そうなんです、私たちが陣取った座席は「エキサイトシート」。ファウルゾーンにせり出して作られた座席で、防御ネットがありません。という訳で、打者が放ったフライはもちろんライナーが飛んで来る事もあるので、一投一打から目が離せないんです。
さて、目の前の巨人軍の選手は誰かな? と見ていたら背中に「CHONO」の文字。実は私たち夫婦は野球をほとんど知らないのです。ですから選手の名前も顔も判りません。CHONOと言えばプロレスの蝶野選手、あのイノキボンバイエで毎年年末に国技館で大暴れしてファンを楽しませてくれるレスラーが頭に思い浮かぶのですから、もう笑ってしまいますね。巨人で詳しく知っているのは原監督と高橋由伸選手くらいです。広島となると監督は古葉さん? 衣笠選手? くらいの知識で止まっています。
攻守交代時の大応援合戦も圧巻です。7回の巨人の攻撃前にはオレンジ色が鮮やかな特大の垂れ幕がスルスルと観客席を覆います。試合前に何度も練習しているのでしょう。観客の大合唱による応援歌もいいハーモニーです。
試合はいよいよ大詰め9回裏2アウト。
3対2で広島がリード、巨人はランナー一塁のチャンス。
そして「満を持して」とはこのことか! というタイミングで、
「ピンチヒッター、高橋由伸 背番号24」
というウグイス嬢のアナウンスに、オレンジ色で埋め尽くされた1塁側のファンは「カッセカッセ、ヨシノブ」の大合唱。場内の熱気も一気にボルテージが上がります。
「ママ、すごいね、ヨシノブだよ!」
「本当! 野球は9回2アウトからってこの事ね!」
しかし巨人ファンの願いの灯は高橋選手が打ち取られて、はかなくも消え去りました。
試合後、立ち寄るよう言われていた球団関係者受付へ。いただいたのは、広島カープ・黒田投手のサインボールと丸選手のサイン入りバット。双方とも試合で使用された本物仕様で、サインも直筆です。私の友人の粋な計らいに感謝した次第です。
でも、なんで原監督と由伸じゃないの?
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