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コラム 三寒四温

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ピーちゃん

 2010年11月25日は、一日曇り空のハッキリしない、かと言って風も無く穏やかでそう寒くもない、そんな天候の中、窓を開け放してインターネットを検索していた時、外がやけに騒がしい。チュンチュン・ヴィヴィー・ビークル・ビークル・ビークル。いろいろな鳥たちが一斉に鳴き始めた。
  ここ杉並の上井草は低層の住宅街で事務所のある3階のベランダからあたりを見回すと100m先に建つ4階建ての小学校が一番高い建物で、周りには大きな地主の敷地にどっしりと根をおろした樹齢100年、200年ものの大木が生い茂っている。ここにいろんな鳥たちが餌を啄みにやってくるのだが、今日の鳴き方は妙に変だなという訳でベランダに出てみると向かいの2階建ての住居の屋根に立つTV用のアンテナに5羽の巨大インコが止まって鳴き合っていた。すぐ隣の電線にも3羽、あまりの重さに電線がゆれているが、それを器用にしのいで鳴いている。黄色い胴に緑の羽根、遠目に見て普通のインコより大きいので多分直に見ればモルモットくらいの大きさがあるのかもしれない。
  目が合って思わず口にした言葉「ピーちゃん」。
  思わず口にして呼んじゃいました「ピーちゃん!」。
  私が小学校の頃、手乗りインコを飼っていまして、その名は「ピーちゃん」。学校から帰ってくるとランドセルをほうり投げて、「ピーちゃん!」と一目散に2 階に置かれた鳥籠を目指してダッシュです。日向ぼっこをしていた〝ピーちゃん〟を手に取って、クチバシと唇でスキンシップ、イヤー、純情なボーヤだったのですよー。でも、楽しいばかりの日々はそう永くは続きません。手に乗せたピーちゃんは、ある日空高く遠くへ飛び去り私の視界から消えてゆきます。振り返りもしないんだから…。そんなピーちゃんが50年も経って大きくなって子供まで連れて帰ってきたんだよねピーちゃん。そのピーちゃんたちも私の顔を見て安心したのか、一羽一羽が飛び立ちます。パタパタと勢いよく羽ばたくとその羽を〝気を付けー〟して、まるで弾丸のように、そしてまた羽ばたいて弾丸のようになって茜色に染まり始めた西の彼方へ消えてゆきました。
  また遊びに来てね。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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