泡盛の泡波
毎年日本を襲う台風。
今年は例年をさらに上回るペースで次々と発生して全国各地に被害が及んでいます。その台風のほとんどが沖縄近辺を通って本州にやってくるのですから、沖縄県民はたまったものではないでしょう。
特に8~9月は発生頻度が高く、世界で最も美しいと賞賛されているサンゴ礁と透き通るほどに美しい白砂のビーチで盛夏を過ごすために訪沖するのは、この時季はギャンブルのようなものですね。
そんな理由もあって、沖縄旅行は5月から6月にかけて行くのが正解!と私は常々思っていて、今年も5月の連休明けに1週間ほど家内と出掛けてきました。今回は石垣島からボートで20分ほどの小浜島が旅のメインです。
船を降りると紺碧の空と青い海原、白砂のビーチ、そして照りつける太陽。
出迎えてくれた友人の軽自動車に揺られて10分ほどのオーシャンフロントに立つ彼の別荘は2LDKの一軒家で、私の想像していた沖縄の建物とは程遠い、東京の住宅そのものでした。
以前NHK朝の連ドラで放映されていた「ちゅらさん」の舞台となった村に連れていってもらいました。
「そう、これこれ!」
玄関にはシーサーが両脇に置かれ、平屋建てに縁台のある赤い瓦屋根のかわいい家がギュッと集まっているこのような村を「集落」と呼ぶそうです。こちらの集落には小さな雑貨屋さんが一軒だけ、集落の人たちには結構重宝されているようで、レジ前では2人の“おばあ”が意味不明のおしゃべりを続けています。いわゆる沖縄方言なのでしょうか? なにやら楽しげですが、内容はチンプンカンプンです。
今回の沖縄訪問の目的の1つが、以前友人よりいただいた至高の泡盛「泡波」を買い求める事だったのですが、この雑貨屋にはごく普通の泡盛しか売っていませんでした。友人に「買いたい」と尋ねると、「泡波」は波照間(はてるま)島の小さな酒蔵で作られていて、島外には出荷していない希少品との事で、ガックリした次第です。(それにしても法外な値段をつけている通販サイトはいただけませんね。たとえ便利だから、レアだからといっても、安易に利用するべきではありません!)
先述のちゅらさん集落はもとより、小浜島そのものにスーパーマーケットが存在しません。ですから島民の買い物はもっぱら船で石垣島へ買い出しです。あるのは自然豊かな美しい海と人情味豊かな島民の笑顔。ああ、ここに泡波もあったら、なんて幸せだったでしょう。
日本各地で台風被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
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