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コラム 三寒四温

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ライムキャビア

「あのー、この植物の検疫、お願いします」

IBIE視察研修旅行での3日目。
全米屈指のリゾート地・サンタバーバラの町中の車道をブロックして開催されるフリーマーケットの視察です。当日は抜けるような青空の下にいくつものテントが立ち並び、新鮮なBIOの農産物が数多く取り揃えられて賑わいを見せていました。

そんな中で偶然出会ったのが、奇妙な植物。野菜なのか、あるいは果物でしょうか?大きさはわずか小指大ほど、柑橘系の匂いがほのかに香る皮に包まれた植物を手に取り、「何ですか、これ?」と問い尋ねると、長いブロンドの髪を後ろで束ねた可愛い女の子が笑いながら爪で真中を割いて片側をつぶすように指で押さえると、あら不思議、白いキャビアのような小さく丸い粒がゾロゾロと出てきました。このアンビリーバボーな植物の正体とは? そしてその味は…

「オー、これはまさしくライムだ!」

私の横で興味深そうに観察していたデイジイの倉田社長にも試食を勧めると、

「ウワァー、本当にライムだね! しかも見た目はキャビアみたいでおもしろい」

最初、若い女性の検疫官は「何でしょうね」と思案し、しばらくしてからどこかに電話連絡しました。「見たこともない植物が来ましたので応援お願いします」。すると二人のベテラン検疫官が現れて、パソコンを操作すると、

「あった! これはライムキャビアだよ。以前苗木を持ってきた人がいたね。でも現物は初めてだよ」

学名「ライムキャビア」、通称は「フィンガーライム」または「ブッシュキャビア」。あまりメジャーではないけれども存在感のあるフルーツです。「では、割って中を見ませんか」と、私は半分に割ってキャビアのような実を押し出しました。「オーッ」。検疫官の歓声です。

「食べてみませんか?」
「いいのですか?」

検疫官全員で試食です

「アッ! ライムだ」
「本当! おいしいわね」
「これは検疫パスですよ」

書類に判を押していただいた後に、「他の皆さんと味見してください」と一つ差し上げてから税関を通って帰宅した次第です。翌日、会社で編集部にライムキャビアを差し入れたら、皆、驚いていました。パソコンで「ライムキャビア」を検索してみると、なんと苗木や実までも通販されていたのには驚かされました。とはいえ、取扱はつい最近始まったらしく、値段も五~六個で千五百円位、苗木一本五千円前後。この価格設定では、普及にはまだ少し時間がかかりそうです。

白身の刺身や寿司の上にライムキャビアを少量のせて食べてみましたが、これが合う! 焼酎のロックにも合う! スライスバゲットにクリームチーズ、その上にライムキャビア。すごく合う!

いい出会い、いい発見でありました。

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弊社社長 菅田耕司のコラム


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