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コラム 三寒四温

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グリッシーニ

先日、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」を観ていたら、熾烈な販売合戦を繰り広げているアサヒビールとキリンビールが今まで独自に行っていた北陸地方への配送を“協力”してコストを下げる取り組みを開始したというニュースを取り上げていました。協力しながら競い合う“協争”が、製パン業界も含めて今後も広がりを見せる事になるのでしょうか。

“協争”とくれば“協奏”を思い浮かべます。

お気に入りのチャイコフスキー作曲「バイオリン協奏曲」が突然聴きたくなりました。ユーチューブではムターのヴァイオリンでベルリン・フィルをカラヤンが指揮する映像が投稿されているので時おりイヤフォンでの大音量で聴き入ります。ムターの超絶技巧によるヴァイオリンは、ときには荒々しく、ときには包み込むように、ときには鋭く、ときには優しい旋律を奏でます。

そして、何といってもカラヤンの指揮ぶりは素晴らしい! 
本当にブラボー! ゾクゾク、ワクワクしてきます。実は私40年ほど前にカラヤンとベルリン・フィルの来日公演を杉並にある「普門館ホール」にて一度だけ鑑賞した経験があるのです。

まさに奇跡のプラチナチケットをどうやって入手し、誰と行ったのか、演目は何だったのか、記憶が曖昧なのですが、当時の雰囲気が目を閉じると一瞬だけ脳裏に蘇ります。それは演奏が終わり、カラヤンが観客席へ振り返る姿です。満場の観客がスタンディングオベーションでブラボー! と称え、大きな、とても大きな拍手をステージへと届けます。客席に一礼したカラヤンは堂々とした姿勢で舞台袖へと消えて行きました。そして、アンコールに姿を見せる事はありませんでした。

ひときわ冷え込んだ今朝もまた、熱いコーヒーを飲みながらPC画面の中で躍動するカラヤンの勇姿を目の前にして、ムターとベルリン・フィルが奏でるチャイコフスキーに聴き入ります。

あっ! グリッシーニがあるじゃないですか!

デスクの隅に、見事な長さで焼かれた10本ほどのグリッシーニの存在に気づいた私は、思わず手に取りカラヤンを真似てオケの指揮を始めました。このグリッシーニ、実は2日前に日本パン技術研究所を訪れた際に応対してくれた、とてもチャーミングな職員さんからのいただき物。

「昨日の実技セミナーで焼いたものです。どうぞ」

嬉しいですね。帰宅後、超薄切りのハモンセラーノを巻いてワインと共にいただいたものが残っていたのです。

程よい弓反りで長めの“タクト”はポリポリと口の中へ、曲のクライマックスでちょうどいい長さに残った“タクト”。イヤフォンから流れる、優雅で美しい旋律が私を熱く高揚させます。さあ、フィナーレです! 

・・・あれ、タクトは何処?

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弊社社長 菅田耕司のコラム


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