デーツ
以前よりゴルフを通じて仲良くさせていただいている各国の駐日大使閣下には夫人をご紹介いただき、各国のパン菓子を披露する「大使夫人のおもてなし」を、弊紙日本パン菓新聞紙上にて10年ほど前より掲載しています。
お陰様で好評を得ていますが、駐日大使として日本におられる期間はまちまちで、早い国では2年ほどというケースもあります。こうした短期間の赴任ですと、踏み込んだお付き合いが叶わないのも事実です。そんな中、中東各国の駐日大使の方々は5年以上の長きにわたって対日外交に取り組んでおられます。その代表となるのがクウェート国のアブドル・ラーマン・アル・オテイビ駐日特命全権大使です。同夫人は駐日大使夫人の中でも飛び切りの美貌で知られるジャミーラ夫人です、同企画にて訪ねた際は、パンとお料理以外に「デーツ」(ナツメヤシ)を使った菓子も紹介していただきました。
先月23日、皇居前のパレスホテルにてクウェート国建国56周年および同国解放26周年の記念祝賀レセプションが開催され、小池百合子東京都知事をはじめ政財界ならびに関連する日本企業のトップが500人ほど招かれました。お国自慢の料理もふんだんにもてなされ、レセプションは大いに賑わいました。
会場入口の金屏風の前に並んでゲストを迎えるオテイビ大使とハグした家内は傍らのジャミーラ夫人と何やら片言で話して握手を交わしています。
(オーマイガッ!)
「喋れるんかい!」
ドリンク片手に尋ねてみると
「一言よ。コングラチュレーションズ。良い響きね」
と、平然たるものです。そういえば3年ほど前に我が家で開いたプライベートパーティーに、カザフスタン駐日大使ご夫妻とご一緒にお越しいただき、楽しいひと時を過ごした事があったのを夫人も覚えていてくれたんですね。
中東のデーツは今後ますます注目されるであろう食材です。デーツを使った菓子がレセプション会場でもふんだんに並び、コーヒーと共にゲストの皆さんが楽しまれていました。大きなデーツは上に十字の切れ込みを入れ、砕いたクルミがのせられています。小さめのデーツの表面には、小さなケシのシードがたっぷりと、ドライココナツにまぶしたものは絶品でした。
私、思うんです。このおいしいデーツを使用する日本の菓子・製パンメーカーが非常に少ないのはなぜでしょう?
8月30日に日本パン技術研究所にて弊社創立70周年企画の第2弾として製パン技術講習会を開催します。今回は世界で活躍するアメリカ人ベーカリーシェフのピーター・ユエン氏の招聘が決定しました。こちらで一品、デーツを使った“未来パン”を提案していただく事も検討しております。本紙上でも詳細が決まり次第発表しますので、どうぞお楽しみに。
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