シンギン・イン・ザ・レイン
弊社企画での海外研修ツアーは、世界の製パン・製菓材料や原材料等の展示会の見学を軸に毎年開催しておりますが、ロンドン、パリ、ラスベガス、ニューヨークに立ち寄る際には、必ずといってよいほどグルメやミュージカルやクラシックコンサートを鑑賞する事がお約束となっております。
オーストリアではウィーンの王立歌劇場でのオペラ鑑賞やウィーン少年合唱団の讃美歌がバックの日曜ミサへの参加、そして世界各地での美食を楽しむためにNOBUレストランやアラン・デュカス氏が監修するオーベルジュに宿泊するのも、私流の企画の楽しみなのです。ですから参加された皆様といつまでも記憶に残る感動を共有して分かち合えているのも確かです。美しい景色、古代の遺跡、美術館や博物館の見学、それに加えて世界各地のお祭りなどを体感して、五感で楽しむことを心がけています。それは参加者の皆様の感性を磨くことに繋がります。まるで毎朝の食卓にあって違和感の無いベーコンエッグのように組み込まれる、研修の大切なセットなのです。
ミュージカルの中で、私が最も好きなのは「シンギン・イン・ザ・レイン」。
そう、「雨に唄えば」です。何十年も前に観たミュージカル映画のワンシーン、それは雨の街中で俳優ジーン・ケリーがタップを踏んで踊るあの名曲。
“ラ・ラーラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラーラ、ラ、ラ”
…… 文字で歌を表現するって難しいですね(笑)。
とはいえ往年の名曲です。これだけでも、ミュージカルファンなら口ずさむことができるでしょう。
雨が降る夕暮れどきのある日のことです。
銀座木村家4Fにあるフレンチレストランの窓際から4丁目交差点を見下ろしていると、色とりどりの傘をさした歩行者たちが一斉にタップを踏んでクルクル踊り出すのを夢想した想い出。
先週、渋谷ヒカリエのオーブにて、「シンギン・イン・ザ・レイン」の日本公演初日を家内と鑑賞してきました。最上階にあるシアターの入口は全方位総ガラス張りで、エスカレーターで着くやいなや、突然の雷鳴! そして大粒の雨が窓を濡らします。はやる心を見透かすかのように“天”はミュージカルのプロローグを告げているのでしょうか。
本物を生で観るのは素晴らしく感動の連続でした。ステージに“11トンの雨が降る”というフレコミの雨の中でのタップダンスのシーンを見ているとき、思わす感動で涙が溢れてきました。ショーが終わって外へ出ると、雨は上がって月が燦然と夜空を照らしていました。心も晴々とした一日でした。
■■■■■■■■■