沸き起こる雲
術前の朝、病室から窓外の空を見る。
流れていく大きな雲。
遠くのクレーンはゆっくりと荷を吊り上げ、
眼下には女学生が楽しそうに語らいながら校門に
消えていく。
そういえば夕べ、茜色に染まった夕焼けは美しかったな~。
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70周年のレセプションで、昨日までは100mを歩くのが“やっと”だったのに、精力的に各テーブルを回ってご挨拶できたこと、そして最後に参加者の皆様とかたい握手ができたこと。
まさに、アンビリーバボー! な一日でした。
ひとえにご講演いただいた同じ教会員の飯島延浩社長の聖なるパワーと聖霊の助けがあったからこそ成しえた一日でしたが、奇跡もここまで。入院となりました。
翌週、予定通り広尾の日本赤十字社医療センターにて腰の手術を行い、早期退院かと思っていたのですが、延長入院。折しも昨年の二月、胃癌で全摘手術後の八日目に感染症にかかり、緊急オペで十日間のICU生活を含め2ヵ月近くにも及んだ入院の日々を思い出してしまいました。延長再び、です。
というのも、退院間近の腰の手術を経て一週間目、座して病院のベッドから見上げた青空に、鯨のような大きな雲がぷかぷかと現れたのです。そして翌日の早朝、突然トイレで膝から崩れ落ちてしまいました。ナースコールをしてベッドに戻され、日曜にもかかわらず急遽MRIの検査を受けたところ、大きな血栓が腰から下の神経を圧迫していました。
駆けつけてくれた担当医師は「血栓溶解を待つか再手術か」とおっしゃっていましたが結局、再手術となりました。
病床から見る雲は沸き起きては消え、また流れ、色々な表情を見せてくれます。
おうい雲よ
ゆうゆうと 馬鹿にのんきそうじゃないか
どこまでゆくんだ ずっと磐城平の方までゆくんか
山村暮鳥の詩です。これに私はこう付け加えたい。
沸き立つ雲のごとく、
流れる雲のごとく、
時にはゆったりとした心が人生を楽しくさせてくれる
ここで僭越ながら私も一句。
病床で 座して見つけた さんま雲
焼いて食べよか 術前の朝
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