Must GO
3月から4月にかけて旬を迎える野菜の代表格に「菜の花」があります。
八百屋さんの店頭やデパ地下の野菜コーナーで、黄色い花を表に出して茎葉を紙で四角に包んで売っている、あれこそが「菜の花」……とばかり思い込んでいたのですが、つい最近“正解”を知ることとなりました。
先月、引っ越し先である渋谷区・松濤の自宅から東急デパート本店への道すがら、徒歩5分ほどの場所で一番最初に見つけたレストラン「ALL FARM」さんでのこと。こちらで菜の花について初めて知った事に愕然としました。というより、そもそも花や野菜に対する知識が乏しかったようです。
レストラン店員の太田君によると、菜の花は「アブラナ科アブラナ属の総称」でありまして、ナタネ・カブ・白菜・キャベツ・ブロッコリー・カラシナ・ザーサイ等々、“花”を食する野菜全般を指すとの事。あの青汁の原料、ケールもその仲間であったとは驚きです。そしてナ・ン・ト、ケールの花を「今日の一皿」として食べさせていただきました。
世間一般には流通していないブロッコリーやカリフラワー、そしてケールの花。当然といえば当然ですが、ちゃんと花をつけて咲くんですね! 通常、ケールのように葉だけを食す種類の“菜の花”を見慣れていないとはいえ、勉強不足でした。太田君曰く、「緑黄色野菜の王様といわれるケールの太い茎と花は、甘味が強くて絶品ですよ」。さっそくALL FARM特製のバーニャカウダソースをからめていただきましょう。
「うん、嫌味のない、かすかな苦味が心地よくて食感もいい! “野菜本来の味”とはこのことだね。特製ソースも上品でよく合ってますよ」
太田君が私の食レポを受けて説明を続けます。
「日本の農家の方々のほとんどが生産効率の良い『F1種』で、いわゆる種取りをしない栽培なんですが、私共ALL FARMでは地域に根付いた“固定種“を日々情熱を注いで栽培をしています。この時季、さまざまな菜の花を目にします。そして朝採れの花や葉をその日のうちに調理してお客様に提供しています」
なるほど。1年に1度、この時季だけに食べられる幸せ。旬の菜の花の数々を、来春はもっとたくさん食べたくなりました。この店はいつも旬の野菜を肴にワインや“ケールビール”、さらには他ではなかなかお目にかかれない野菜カクテルも楽しめるとあって、野菜女子で満席です。
このレストランのようにヒントやアイデアが詰まったお店へ、新商品開発担当者はMust GOでしょう。お洒落な新商品が店頭に並ぶのを楽しみにしていますよ。
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