良き種まき
日本パン工業会の飯島延浩会長は2019年の年頭所感の結びに、次のように語られました。
製パン業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いておりますが、このような時こそ製パン業界の一致協力を実現し、創意工夫により新たな価値を創出し、新たな食文化を生み出す時だと考えております。
「一致協力」。誰しもが業界の発展を願いつつも、企業間競争の高く厚い壁に阻まれ社会経済において長年にわたって実行される事は稀でした。
しかし、流通革命や製品メーカーと原材料メーカーのコラボ、同一店舗名による共販など徐々にではありますが浸透しつつある今日です。ただ如何せん利益追求のための競争により阻害されていることも依然として現実のようであります。だからこそ今、業界の「一致協力」の実現を呼びかける飯島会長の真意は、我が国が抱える重大な社会問題である少子化や環境問題、そして安心・安全という食品を扱う業界にとって最重要課題の解決のために最有力の“手段”だと確信します。私も「三協の精神」という思いを年頭所感に書かせていただきましたが、「新たな食文化を生み出す」という言葉を我々業界人は真摯に受けとめて実行・実現し進まなければならないでしょう。
飯島会長はクリスチャンビジネスマンとしても国内外で有名ですが、教会での礼拝前に聖書の一文・一節をわかりやすく自ら説明する「バイブルスタディ」にて昨年、山崎製パン社長としての見解を盛り込んで話されました。
しのぎを削る新商品の開発においては、常に新しいものを作るために、挑戦し続ける事、そして常にバージョンアップする努力が必要です。
製パン業界は主要原料である粉、油、イースト、そしてフラワーペースト等々、様々な業種が携わっています。「一致協力」。重く険しい難題を乗り越えるために大義を以って行動を起こさなければ進展は無いのです。
次の世代、そしてまた次の世代へと引き継がれる「良き種まき」を続け、良い実を残そうではありませんか。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●