おいらの肉屋
新大久保界隈は楽しい町です。
休日はあふれかえるほど人がわいてくるんです。それも日&韓がほとんど……というわけでもないことを、ご存知でしたか? 実に多彩な“人種のるつぼ”なんですよ。そういえば5月の10連休の中ごろ、マレーシアやネパール、中東の人々が店を構える、香辛料の匂いが漂う賑やかな一画から外国人の姿が消えました。
いつも大勢の客で店先で大串の焼き鳥やケバブサンドをヤンキー座りでかぶりつく彼らはいずこへ? 下ろされたシャッターには、
「ラマダンにつき、1ヵ月休業します」
なるほど! しかしまず思ったのが、「ひと月も休んでたら家賃が大変だろうな」という情けない算盤勘定。ラマダンはイスラム教徒にとってはとても大事な行事です。お金になど代えられない、強い信仰心に感心いたします。すみません!
連休中のある日、コリアンストリートで私はとんでもないお店を発見しました。俺のフレンチや俺のイタリアンのなーんちゃってバージョンで「おいらの肉屋」。正体は焼肉屋なんですが、笑っちゃうでしょう! フェイスブックのタイムライン上で友達の書き込みにもちょくちょく名前が出る「俺のベーカリー」が元ネタなのは言うまでもありませんが、いずれにせよ笑うしかない情けない気持ちがこみあげてきましたよ。
パン・ジャーナリスト、パン・コーディネーター、パンライター。まだまだありますが、そんな大勢の「パンを利用して有名になりたい方々」が闊歩できるほど、いまパン業界は熱いのかな? それと、並ばないと買えない高級食パンも相変わらず流行ってますね。高級食パンって何ですか? こう言っては何ですが、値段が高いからだけでしょうね。私が思うに、値段でいえば高級食パンと対になるのが低額食パンとなりますが、レジ前に山積みされている食パンの値札には78円、68円なんて日も。パン業界に身を置く者として声高には言えませんが、あまりにも流通側が強くなり、割を食うのは物言えぬ納入業者、という状況を自分たちでつくりつつあると私は思うのです。
だったら「オレのパン」を、自信をもって売りましょうよ! 言われてみれば、今年の“イセパン”にもそんなネーミングのパン屋さんが出店していたようです。
「令和になったいま、パン業界が好調のようです。その理由は? ◯月◯日のNEWS ZERO、始めます」
と、有働さんにお言葉をいただきたいですね。
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