リックス・カフェ
ハードボイルド
【hard-boiled】
なんとも言えない、格好の良い言葉ですね。“男らしい男”と、昔からそのように理解してきましたが、ネットで検索してみると人それぞれに感じ考えている色々な意味があって面白いですね。
ハードボイルドとは、
「言い訳を許さず、甘えを許さないものだ」
「世の非情をものともしない強さ」
という書き込みを見つけました。Weblio辞書によればハードボイルド小説の定義として「暴力的、反道徳的な内容を、批判を加えず客観的で完結な描写で記述する手法・文体」とありました。ちなみにアーネスト・ヘミングウェイの作風などが一例であるという解説に、私は“深すぎて訳が分からない”事態に。随分と難しい検索に手を出したな、クールポコ風に言えば「やっちまったなァ!」といった心境になりました。
たかがハードボイルド、されどハードボイルド。直訳すれば「かたゆで玉子」ですが、結論は“半熟”で結構、カターク考える必要はなかったですね。
そもそも、なぜハードボイルドについて書いているのか?
それはフェイスブックのタイムラインで流れてきた“懐かしい名作「ボルサリーノ」を観た”という友人の書き込みがきっかけでした。「私も帽子はボルサリーノです」などと自慢げに返信し、しまいには“お互い老後はハードボイルドな人生を過ごしたいものですね”なんてやりとりの直後、はて、ハードボイルドの使い方はこれで正しいのか? と疑心暗鬼になり、とっさに調べたという経緯ですが、「かたゆで玉子」で終わってしまったのです。
私の好きな映画「カサブランカ」のハンフリー・ボガートは“かたゆで玉子”です。舞台となったモロッコの港町・カサブランカには2回ほど訪れていますが、撮影はすべて本国ハリウッド、オールセットにて行い、主役のボガートをはじめ誰一人としてモロッコの地を踏むことなく完成させた大作であったことをご存知でしょうか。カサブランカの港のそばにある、ボガートとイングリット・バーグマンがデートしたバーは、今でもボガート演じる主人公の名・リックスの名をとって「リックス・カフェ」として映画のシーンそのままのスタイルで再現され、観光客で連日賑わっています(注:前述の通り、撮影に使われた店ではありません!)。
店内の壁にはめ込まれたTVモニターでは2人がくつろぐ白黒のシーンが繰り返し流れています。事情を知る映画関係者は見向きもしないが、なぜか今でも繁盛している「リックス・カフェ」。ミーハー心で店を訪れた私は、せっかくなので“聖地探訪”を思い切り楽しみました。ボルサリーノの帽子をかぶってリックスになりきり、カウンターでバーボンをクイッと呷る。ハードボイルドでしょう? アテはゆで玉子…はさすがにやり過ぎですね(自粛)。
カサブランカ観光の折には「iloli」(いろり)という日本食レストランをお薦めします。古川オーナーシェフの料理は最高です。長旅の疲れが癒やされるでしょう。
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