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コラム 三寒四温

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栄枯盛衰

高級食パン専門店を看板に、というかそれらしく見せるためなのか大きな暖簾を掲げる店がここ1~2年でずいぶん増えました。私の住む新宿近辺は言うに及ばず、都内のそこかしこに季節外れの雨後の筍のごとく林立しているのを通りすがりの車窓から感じていたのですが、最近、「オヤ?」と首を傾げたくなる景色の “違和感” を覚えつつも、いかんせん注意が手繰り寄せられません。歳のせいでしょうか。

というのも、「ここって確か、食パン専門店だったよな?」と思しき建物のシャッターが降ろされ、テナント募集の貼り紙があります。「あらら、ここもだ!」。かろうじて営業を続けている店も、チラッとのぞく限り客の姿はなく閑散としています。日本橋や銀座の食パン専門店では、店の前に正しく行列させるべく置かれた赤いベルトを張るためのポールが寂しく置かれていますが、店の外にも中にも客はいません。かつての賑わいの名残りのように整理役のガードマンが独り立ち尽くして暇を持て余している姿は悲哀を感じます。歴史を重ね洗練されたブランド品に勝るものなし、ということでしょう。

新大久保界隈ではタピオカドリンクの店が密集してひしめき、JCやJKが中心となってどの店も長蛇の行列が当たり前でしたが、夏休みが明けた最近では、並ぶ店はわずかでほとんどの店は閑古鳥が啼いています。伸びるチーズがインスタ映えするハットグ店や再ブームのソウルフード「タッカルビ」等を提供する韓国料理店にはそれなりの行列も見られますが、以前より人通りが減少しているようで最近仲間入りした “新入り” 地元住民としては少々拍子抜けですが、何事も “適正” がよろしいのでしょう。

次に流行るものは何でしょうか? JCやJKが媒介となって拡散するカワイイ・オモシロイ・インスタ映えするモノと、「並ばないと買えない高級食パン」には何やら共通点を感じます。自分が食べることが最優先という訳ではなく、どう見られるか(SNSの反応あるいは贈答品としてのステイタス)に特化して認知された、脱サラ・開業を熱望する人たちが飛び付きそうな業態に、果たして未来はあるのでしょうか。マトリョーシカ人形のごとく、時には姿を変えて徐々に小さくなり、やがて限界を迎える。真面目に商いをしているお店や企業にとって、避けては通れない人間の心理をついたトレンド、いや “珍商売” も、時には反面教師という名の必要悪か? などと改めて痛感させられる街の移ろい、栄枯盛衰ですね。

儚い話はこの辺で筆を置き、日本をしばし離れます。IBIE2019が開催されるラスベガスへ、弊社企画の研修団一行とともに出発です。次回はきっとGOOD NEWSをお伝えできることでしょう!

弊社社長 菅田耕司のコラム


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