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コラム 三寒四温

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山椒は小粒でもピリリと辛い

先日刊行された弊紙『日本パン・菓子新聞』3月15日号の巻末付録、昭和23年8月16日号(第42号)復刻版に掲載されている、とある記事の見出しに興味を惹かれて読み進めると、当時のパン屋さんの消費者に対する真摯な姿勢が伝わってきます。現代にも通じる店主の思いに心を打たれました。その記事とは……。

消費者にうける藤の木パン
山椒は小粒でもキリリと辛いと云ふが、此の店は小粒でも素敵にウマイと云ふところから客の口は正直で、近所の消費者は勿論、委託加工には中野本町あたりから乗もので來る人もあると云ふ都電杉並車庫前の藤の木パン。
(中略)
よく賣れる理由を尋ねると「私の處では家族全部が從業員でありパンの理解者であり消費者と同じパンの愛好者、随つて例え工場は小さくとも客の愛好する氣持で作り上げる氣持がパンの製品にも表れて評判を戴いてゐるものと思ひます。今後我れゝ委託業者の生きる途は單にコッペーや食パンのみでなく藝術的な菓子パンを作り、時代に適應した製品を消費者におくることが必要ではありますまいか」と語つた。(以上紙面ママ)

これは71年前、東京・杉並区の「藤の木パン」の第1号店を立ち上げた立川良一氏の活躍を伝える、私の父によるインタビュー記事です。立川氏のパンに対する熱い思いは現代の日本のベーカリーに受け継がれているようです。芸術的で栄養価の高いパンは世界大会での日本選手の躍進が示すとおり、時代に適応した製品が関連各社の協力のもと製パン事業各社の開発により確実に進化を経て発表されています。「素敵にウマイ」パンの種類も多彩にラインアップされ、パン食の文化は着実に消費者の嗜好の選択肢として定着しています。

先人達の偉業、思いは時を超えて胸を打つものがありますね。ヴィーガンやプラントベースといった時勢をふまえた様々な創意工夫を重ねながらユーザーの愛好する気持ちに寄り添って新製品をつくり上げる、そんな姿勢が “山椒は小粒でもピリリと辛い” 現代のベーカリーとして愛される条件ではないでしょうか。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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