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コラム 三寒四温

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えぞ菊

胃がんによる全摘出手術から4年半。その間に食道がんも見つかり、内視鏡手術は成功したものの、胃のない生活はコロナ禍と同様に非日常の生活様式を強いられます。それは消化能力の低下による消化液の調整です。胃液で消化していた食物を腸だけで消化するのは困難で、特に緑黄色野菜はいけません。ニラ、ホウレン草などがNGです。健康な人でも消化しない事が多いコーンなどは当然パス。

そして医者いわく、一番いけない食べ物が「ラーメン」なのです! よりによって私の大好物です。いやいや、しっかり咀嚼すれば問題ないだろうという素人判断で、退院後にお気に入りのラーメン店、荻窪の「丸福」へ出かけ術後初のワンタン麺に挑戦。久しぶりの感動も相まって、あまりのおいしさに噛むどころかスープまでいつものようにあっという間にスルスルと平らげてしまいました。案の定、店を出て帰路の車中で七転八倒。家内には世話をかけてしまいました。これに懲りて丸福は半年に一度程度に我慢、麺は半分でオーダー。麺が伸びるのも覚悟でゆっくりゆっくり、噛みしめるように楽しんでいます。

先週の土曜日、家内とリハビリを兼ねて自宅から高田馬場近辺を散策。両手に補助ストックを握りしめて歩く道中で見つけてしまいました。かつて私がもっとも愛したラーメン店「えぞ菊」です。ひと昔前は札幌ラーメンの王道として都内でも多く営業していたのですが、いつの間にか看板を見かけなくなっていました。あえて探す事もなく年月が過ぎ、令和の時代に自宅近くで遭遇するとは!(今はなき本店の近くにあったこの店の存在に、今まで気づかなかっただけということもありますが…)

「えぞ菊」の思い出は、私が30代後半にハワイへ長期滞在していた頃に遡ります。アラモアナショッピングセンターの近くにホリディーマートというスーパー(今ではドン・キホーテに変わりました)がありましたが、その入口に「えぞ菊」はありました。当時の人気TVドラマ「ホテル」では、高嶋政伸さんが演じる主人公の友人が経営するラーメン店という設定でよく映し出されていました。

私は週1回のペースで通う常連組。店頭の通路に置かれたテーブルで札幌味噌ラーメン、コーンバター入りをすすっていました。

「姉さん、お元気ですか。僕はハワイで頑張っています」
という高嶋さんの決め台詞とともに映し出される当時のカハラ・ヒルトンホテルでは、ハワイ随一のエンターテイナー、ダニー・カレイキニ氏のショーが毎晩開かれ、料理も部屋もすべてが上質でした。私はダニーと友人になり、一杯のビールをめぐってボーリングに興じていたものです。

話は再び「えぞ菊」。今でも人気は高く行列が絶えないようですが、私たちが訪れたのは3時過ぎで空いており、すぐに座れました。オーダーはもちろん味噌ラーメン、バターとコーン(駄目と言われていますが)のトッピングで麺は半分。まずはバターを溶かしてスープを一口。
「う、旨い!ああ、この味だ!」
麺はかん水の黄色が鮮やかな太麺モチモチ、噛めば噛むほどに昔のハワイを思い出します。家内も「おいしいわ!」の一言だけで黙々とすすり続けて完食。私もスープこそ残しましたが、久々においしい一日が過ごせました。札幌ラーメンの原点を守り続けるこの店に、コロナ禍でも人は集まります。


弊社社長 菅田耕司のコラム


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