欲望
山崎製パンの「ランチパック」。
説明不要のロングセラー、人気商品ですね。1984年の登場以来、なんと現在までに1,600種以上のバリエーションを販売してきたというから驚きです。せいぜい10種類程度しか味わっていない自分が語るのもおこがましいですが、おそらく私の周りの人達も同じようなものでは? と同意を求めたくなってしまいます。私の娘も孫に「ランチパックって何種類あるの?」と訊くと、案の定「タマゴ、ピーナッツ、マーマレードにイチゴジャム……え~と」と詰まらせます。
そもそも菓子パンや調理パンを買うのはコンビニかスーパー、それも自宅や勤務先近辺の「いつもの店で」が習慣でしょう。1,600種類の中には日本各地の名産・地産品を使用したものや、ご当地キャラクターとのコラボといった地域限定商品も含まれますし、食品ロスを最低限に抑えるべくPOSデータを活用して緻密な生産・仕入れを行っている以上、やはり定番商品が棚を占めるのが実状なのでしょう(あくまで私の推測であり、同社広報に問い合わせた上での見解という訳ではございませんので念の為)。
今でも月に10種類ほどの新作ランチパックが日本各地の工場で生産販売されているとのことですが、1ヵ月程前にTVのワイドショーでランチパック新製品について取り上げていました。中でも興味深かったのが、「ランチパック 3種の粉もん」です。その名の通り、お好み焼き、焼きそば、たこ焼きが一度に楽しめるというインパクト! 炭水化物ガッツリ、食いしん坊向けランチパックの登場です。カロリーを心配しつつも一度は食べてみたいとコンビニ、スーパーでチェックしていますが、今のところ手にする事が叶いません。
ジャンクフード好きとしては、話題のペヤング “獄激辛” も気になりますが、サントリーのウイスキー「山崎」や「響」の如く入手困難であります。さまざまなジャンルの品薄傾向がコロナ禍の影響かどうかはともかく、人間とは無い物ねだりの欲求がとめどありません。その誘惑に対していかに打ち勝つのか? 欲望の追求とはすなわち自身の心に巣食う悪魔の囁きなのかもしれません。「3種の粉もん」を食べてみたい! という欲望こそ、理屈っぽく解釈すれば「自分本位の世界で生きている欲深い人間たる証」なのでしょうか。まだまだ未完成の我が人生であります。
私はお赤飯を食パンではさむ、「オリジナルランチパック」をたまに楽しんでいますが、嗜好とは面白いものですね。
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