ポピュリズム
トランプ大統領が支持者に「議事堂へ行こう」と扇動、暴徒化し5名の死者を出した惨事は民主主義の先行者・アメリカ合衆国らしからぬ醜態として世界を驚かせました。対する民主党はトランプ大統領の責任を問う弾劾決議案を出し、これに共和党側も大物議員はじめ支持者からも同調の声が上がっているというニュースが刻一刻と生々しく伝わって来ます。
弾劾が報じられた翌朝、NHK‐BS「世界のニュース」のあとに流れたのは、第二次大戦を引き起こしたヒトラーのドキュメンタリー番組でした。演説の天才と称されたヒトラーは原稿を一切見ることなく、時に拳を振り上げ体をふるわせ “ドイツの繁栄を我々の手で掴み取ろう” と大声で煽り立てます。その様に景気が停滞し閉塞感を抱えていた群衆は陶酔し、右手を差し上げる敬礼で応え信奉していました。ヒトラーは優れた人類の理想形が「金髪碧眼」であるとし、一方でユダヤ人への徹底した迫害など、身勝手な優生思想を旗印にナチス一党独裁体制のドイツは世界へと軍を広げました。しかし戦況は計算通りに行かず破綻していきます。
独裁者の最期は勇ましい演説もなく、降伏濃厚となった日にひっそりと自決しました。番組を見ながら、ふとトランプ大統領の幕引きが私の頭を過りました。権力に執着した独裁者の失脚は世界の歴史を紐解けば明らかで、生涯を通じて成功を極めた人など皆無でしょう。大衆に迎合するばかりのポピュリズムで人気取りに走る政治姿勢は、この2人を結びつける共通点であります。栄枯盛衰は世の習いであり、権力に執着するあまり身を滅ぼすことは自明の理です。
さて、騒々しい年明けとなりましたが、コロナ禍が続く2021年開催の、iba‐Cup 、モンディアル・デュ・パンなどパンの世界大会はどうなるのでしょうか? 選抜された日本選手団の皆さん、きっと準備はぬかりなく万全の心構えでいることでしょう。
ともあれ、まずはモバックショウの成功を祈ります。
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