溜席の妖精
コロナ禍でステイホーム生活が続く中、我が家の貴重な楽しみは大相撲観戦です。昨年の九月場所から3場所連続、初日の両国国技館へ家内と足を運びました。贔屓はおなじみ立浪部屋、幕内力士たちの熱い取組を応援し、二日目以降はTV桟敷での観戦で家内と連日盛り上がりました。
一月場所は緊急事態宣言発出の翌日、1月8日に初日を迎えました。取組の合間に流れるニュースでは新型コロナウイルス感染者が全国規模で増加していることを伝え、特に東京都は連日2,000人超えが続きました。重症患者は全国でとうとう1,000人オーバー、医療現場の逼迫が限界となり入院できない患者が自宅待機中に亡くなられるといった、あってはならない不幸な事態に日本中が揺れています。
アメリカ合衆国の新大統領、ジョー・バイデン氏の任命式も取組の最中にニュースで流れました。そして世界では変異した新型コロナウイルスや紛争、貧困、自然環境の破壊等、かつてない試練が山積しています。
1月18日の国会召集以降は国内外の政局に一層注目が向けられます。千秋楽の取組中に流れたBSニュースでは、岸防衛大臣とオースティン米国防長官が電話協議で「バイデン政権でも日本防衛の義務を定めた日米安全保障条約が沖縄県・尖閣諸島の防衛に適用される」との見解を共有したと報じられました。これに中国報道が厳しい態度を示したとの続報もありましたね。
そんな国内外の諸問題に忸怩たる思いを抱える私にとって、やはり大相撲観戦は毎日の支えであります。そして幸運なことに、一月場所の初日は向正面の溜(たまり)席で観戦したのですが、なんとお隣にはネットで超有名人となっている “溜席の妖精” が! 背筋をシャンと伸ばした品の良い佇まいで、所謂オーラに包まれています。身じろぎひとつせずに白いマスクをかけ、時折小さく拍手する様が、まるでアイドルのようだと注目されるのも納得です。かくいう私も隣に座る彼女を意識せずにはいられませんでした。でも時間いっぱい、八卦良いの声がかかれば溜席の最前列から見上げる土俵上の熱い一番々に、しっかり釘付けになるものです(観戦者も品格が大切!)。
二日目以降も妖精さんは連日現地観戦を続け、向正面の行司溜の左側が定位置でしたね。中継カメラに幾度となく映り込む、相変わらず美しく凛としたお姿。九月場所から45日連続観戦の記録はいつまで続くのでしょうか。
千秋楽を迎えた朝、東京には初雪が舞いました。世界各地で実施されているワクチン摂取のニュース映像が流れていますが、日本は2月末から開始とのこと。一日も早く国内そして全世界の人々に行き渡り、この試練を収束させて日常を取り戻したいと祈る毎日です。
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