ニュースタイルのベーカリー
高級食パン専門店がバタバタと倒産・閉店していますが、業界をよく知る方々はこの事態をしっかりと予測していました。ブーム当初に見られた長蛇の列、快進撃の出店ラッシュにあっても見方は変わりませんでした。いわゆる想定内ですね。
既存の大手製パン、ベーカリーはコロナ禍とロシアのウクライナ侵略による世界的な原材料費・コスト負担増からやむなく値上げを強いられてきましたが、品質を落とす事なく消費者の立場になってヒット商品の開発に日々努力しています。しかし少子高齢化等による人手不足は深刻で、新規出店もままならず、かといって閉店するにも多大な処理費用が必要で身動きがとれない状況です。
そんな中、10月期輸入小麦の政府売渡価格を11.1%引き下げるとの発表を受けて製粉各社は一斉に業務用小麦粉の値下げ改定を発表しました。
この改定で製パン業界はどうアクションを起こすのでしょうか。度重なる価格改定によるコスト増は大変な負担を強いられます。原料価格が下がっても今まで通りの高品質を維持し提供できれば、消費者は “据え置き” でも苦言を呈する事はないものと思われます。
コロナ禍を経て、中食事業への旺盛な需要は、かねてからのパンブームに着目した異業種を巻き込んで新しいスタイルも生み出しています。大手旅行代理店のHIS社は、“食と地域とツーリズム” というコンセプトでベーカリーチェーンとのコラボ「HIS×パンとエスプレッソと」を日本全国に展開中です。現在約20店舗まで展開、「47都道府県に各1店舗」というルールでご当地オーナーを募集し、競合することなく新たな地域活性化に挑戦するというものです。他チェーンでは真似できない店舗ごとのご当地パン開発、古民家や指定文化財の建物を店舗利用するアイデアが光ります。
一個のパン、一杯のコーヒー。そのクオリティにまっすぐこだわりながら人気店を目指す営業スタイルがユニークですね。
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