あげ・だし・豆腐
今週の日曜日の午後に何気なくスイッチを入れたTVから映し出された映像に久しぶりに私は仰天させられました。 TBSの「噂の東京マガジン」という番組で “平成の常識・やって!TRY”というコーナーがあります。これは料理のテーマを決めて通りすがりの若い女性にその料理をカメラの前で作ってもらうというもので、調理器具や食材は全て整っているのですが、少しひねって、同じに見えるような食材も用意されています。 さて、今日のテーマは「揚げ出し豆腐」。アナウンサーが道行く女性に声をかけて、1人目のチャレンジャーが登場しました。まず手にしたのは豆腐の横に置いてある杏仁豆腐。やおら包丁で切り分け、熱した油の中へ入れました。「ヤダー、溶けてるー!」と悲鳴を上げます。豆腐と杏仁豆腐は同じ大きさで並んでいれば…。でも間違うものなのかなー。 2人目のチャレンジャーは、今度は本当のお豆腐を切り分けましたが、ナ・ン・ト、油揚げを開いて中に詰め始めました。そしてその上にさらに煮干を詰め始めるではありませんか。それを油で揚げて何と言ったと思いますか。彼女は得意満面の口調で、これが「あげ・だし・豆腐よ」。思わず大笑いしてしまいました。まさに〝あげ・だし・豆腐〟です。落語の〝落ち〟の様な超真面目な本当の出来事でした。 先週、私は「おもてなし」についてうんちくを語りましたが、料理すら出来ない若者がコンビニ食で育っているのを見ると食育どころか日本の食文化がどこか違った方面に行ってしまうのではないかと心配でなりません。ちなみにこの〝揚げ出し豆腐〟は10人の人にチャレンジしてもらった結果1人だけ合格でした。