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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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ガストロノミー・ツーリズム

最近「ツーリズム」というワードよく耳にします。

例えばガストロノミー・ツーリズムとは「その土地ならではの食文化を知り、味わう」事です。その条件は、地域独自の食材を用いた料理。ふと思い付いたのは埼玉県深谷市の名産品、「深谷蜜ネギ」。蜂蜜のように甘いこのネギをパン生地で包み焼きにした総菜パンなど面白いですね。間違いなくおいしいはず!

年明け早々の能登半島地震の甚大な被害を伝える報道を見ると、昨年9月にモロッコのマラケシュで起きた大地震と重ね合わせてしまいます。カサブランカでILOLI(囲炉裏)という日本食レストランを経営している古川夫妻とは仲の良い友人ですが、地震の際はすぐに連絡を入れました。

2週間ほど経って返信が入るまで心配したものです。奥様のノエルさんは地震当日、フェズという100キロほど離れた都市に滞在中で、帰宅後すぐにした事は献血とのこと。

ノエルさんは「これから国の復旧のためにいろいろやるべきことがありますね。みんなで!」と返信メールの結びに綴っていました。翌日、私は再度メールを送りました。「何か支援できることは?」という問いかけに、

「ありがとうございます菅田さん! モロッコに旅行で来てくれること、ツーリズムで応援いただけるのが日本の皆さんからの一番の応援かもしれません」

すぐに返信があり、来年こそはモロッコに行こうと家内と話しました。
しかし、ツーリズムでの応援はインフラ等の復旧にメドが立ってからの話。喫緊の災害復旧を邪魔するような訪問は迷惑でしかないでしょう。ハワイ・マウイ島のラハイナで起きた大規模な山火事被害も然りです。寄附金と祈りを捧げながらツーリズムで応援する地域が増えましたが、被害に遭われた土地をガストロミー・ツーリズムのような食文化を通じて応援する事で私たち業界がお役に立てるかもしれません。その土地ならではの味を発信していくことで、復旧後の地域経済を後押しできるものと信じています。

弊社は本年、私の齢と同じく77年の喜寿を迎える記念の年となりました。昨年はフランス共和国農事功労章シュヴァリエという分不相応な名誉をいただいたご縁から、フランス各地のシャルキュトリ文化を発信し普及に努めている日本シャルキュトリ協会とタッグを組んで、活動内容を多くの人に知っていただくべく、「シャルキュトリとパン」というテーマで、秋頃に実技セミナーを開催しようと企画を考案中です。

年頭にあたって

元旦夕方に発生致しました、能登を震源とする「令和6年 能登半島地震」にて被害に合われた皆様に、謹んでお見舞いを申し上げます。

昨年の2023年における私の年頭メッセージは、
一人ひとりがそれぞれに高いモチベーションを持ち、日常の生活や仕事に取り組んで成長が実感できる明るい年となるように期待しています
と書きました。

確かに4年にわたる新型コロナウイルスの世界的大流行により厳戒態勢が敷かれ日常の生活や仕事が脅かされていた日々が一転、医療従事者を始めとする全ての人々の努力が報われて、5月以降はマスク着用も個人の判断となりました。

その結果、経済活動の回復が実感できる明るい兆しが見える年となりましたが、師走に入り、政界派閥の政治資金パーティーにおける裏金問題により数名の閣僚が辞任するなど、世間の現政権への支持率は低迷しております。

世界経済は、金融引き締め政策が継続している中、米国は政策金利を引き上げないことを決定。これにより、一時は152円とドルに対して円安が恒常化していましたが、発表と同時に一気に140円台まで円高に振れました。

一時、ウクライナ情勢と世界温暖化によって穀物を始めとする食料の生産と供給のバランスが崩れて、小麦や肥料等の高騰により製パンおよび関連業界では原材料の大幅な値上げ改定が実施されました。しかし企業努力によりさらなる品質の向上をもって小売価格の上昇をカバーして、消費者から支持され、需要は低迷する事なく、経済は発展しています。

足元でも中東情勢等の緊迫化、地政学的な緊張感がいまだに増して混迷を極めている中、2024年はフランスでパリオリンピック・パラリンピックも開催され、良い面で世界を賑わしたアメリカ・メジャーリーグの大谷翔平選手はLAドジャースへの移籍により一層の活躍が期待されます。明るいニュースであふれる良き年となるように祈念しています。

最後に製パン製菓および関連業界の各社様におかれましては、さらなる環境変化に強い収益構造への転換を図られますよう、期待いたしております。

令和の鹿鳴館とは?

12月21日、76歳の誕生日を家内に祝ってもらいました。

くるみたっぷりのチョコケーキにを模った大きなロウソクがはみ出さんばかりに飾られ、着火して手拍子でハッピーバースデーを歌います。願い事を心に込めつつ火を消しました。

その日はニップンの業界専門紙記者懇談会が開催されました。前半は前鶴俊哉社長はじめ役員が出席して各部門の業績発表などが行われ、続いて懇親食事会が催される年2回の定例行事です。

会場は東京・港区の綱町三井倶楽部。竣工は大正2年、鹿鳴館の設計者でもあるジョサイア・コンドル博士が設計した宮殿造りの建物に約6千坪の和風庭園を擁する会員制クラブです。

吹き抜けの高い天井、邸内の壁には世界の有名画家による油絵がさり気なく飾られ、アンティークの食器棚に並ぶ年代物の銀食器やティーカップなど目を引く調度品の数々は圧巻の一言です。

乾杯を合図に懇親会がスタート。料理はアミューズに続いて自家製スモークのサーモンとホタテのアンサンブル。一口ずつ食した印象は、もちろんおいしくいただけるのですが、建物や庭園そして接
客マナーに至る最高級レベルに相応しいクオリティとして “+α” をぜひ期待したいです。天下の三井グループの旗艦レストランが担う伝統と格式は重々承知の上、革新も目指すことで日本一、いや世界に誇れる民間の迎賓館としての役割を一層果たせるのではないかと思われます。

帰りの車中では “もし自分が三井倶楽部のオーナーだったら? こんなアイデアはどうだろう” などと令和スタイルの鹿鳴館に妄想を膨らませながら我が家に到着。そして冒頭で紹介した通り、留守番の家内が用意してくれたケーキで祝福という運びです。

2023年も製パン情報をご愛読いただきありがとうございました。
2024年が皆様にとって良き年となりますように!

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呼ばれる人

(先週号に引き続きバックパッカーとして世界を巡っていた時の話です)

バックパッカーの旅を終えてインドから帰国後、私と近い時期に誰もが知る著名人たちがインドを訪れていた事を知りました。その1人は、小説家の三島由紀夫さん。彼は取材でタイ・インドを訪れ、カシミールのダル湖のボートハウスで絶筆となった「豊饒の海」の一部を執筆しています。

もう一組の著名人は、あのビートルズです。熱狂的な人気絶頂のさなかにインド北部のリシケシュを訪れ、音楽的な影響はもちろんヨガや瞑想などさまざまなインド文化を吸収してバンド活動を再開しました。それまでのアイドル的な風貌から長髪とヒゲに様変わりし、シタールなどインド楽器を多用した楽曲で新境地を開拓しました。インドの神秘性に魅了された三島さんやビートルズは、この地でどんな啓示を授かったのでしょうか。

ちなみに私はサフランとカシミア、手刺繍のカラフルな布しか得られませんでした。

日本帰国前日、放浪の締めくくりは豪勢にとインド最高級のホテル、ラージパレスに一泊しました。しかし赤絨毯が敷かれたエントランスでターバンを巻いたホテルマンに止められました。たしかに短パンにリュックを背負い髪はボサボサという出で立ちではやむを得ませんね。

そこで私はすかさず日本国のパスポートを見せつつ、お約束のセブンスターを一箱プレゼント。険しい表情の番人はとたんに長年の友人のような笑顔で通してくれました。

チェックインを済ませ案内された部屋はガーデンビューで、金色に装飾されたキングサイズのベッドが存在感を放っていました。さっそく3週間ぶりの風呂に浸かって極楽気分。体を洗いバスタブの湯を抜くと、真っ黒な垢が溜まっていました(これが翌日濡れタオルで拭ってもまったく落ちず、お詫び代わりに5ドルのチップをベッドに置きました)

ディナーはマハラジャカレーのフルコース。極上のスパイシーなカレーでいただくナンは生涯忘れえぬ美味でした。

私がカシミールを訪問して以降、インドとイスラム過激派および中国により紛争が絶えず、現在は訪問する事ができません。良き時代にカシミールを訪れた事を、三島由紀夫さんが遺した言葉とともに思い出されます。

「インドは行こうと思っても行けない。
 呼ばれる人だけが行く事ができるのだ」

弊社社長 菅田耕司のコラム


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