コナモン
フランス・ブルターニュ地方の名物料理といえば「そば粉のガレット」ですね。フランス北西部のイギリス海峡に面した土地柄、降雨量が多く小麦栽培に不向きなため、そば粉文化が労働階級を中心に広まりガレット発祥の地といわれています。今ではフランス全土はおろか日本はじめ世界中に波及し、国ごとのアレンジレシピをSNSで見るのが楽しみになっています。
具材はチーズ、肉、野菜、卵、ジャム、フルーツなど多彩で、かつて一世を風靡し今なお根強い人気を誇るクレープブーム発祥の原宿の竹下通り~表参道界隈ではチョコレートたっぷりのガレットが評判だそうです。クレープとそっくりですが、巻き方や具材の配置で見分けられるような気もします。
若い頃、というかまだまだアクティブに歩き回っていた5年ほど前は、当時住んでいた渋谷の松濤に評判のレストランがあり、ガレット料理が人気とのことで並んで食べた記憶があります(正直な感想としては少々期待外れでしたが)。私的には、シンプルにそば粉のバゲットに厚切りの生ハムやチーズをサンドして食べるのが一番だと思います。変わり種で “お好み焼きはどうだろう?” と思い立ってはみたものの、最近ではキッチンに立ち続けるのも億劫で実践には至っていません。結局、「そば粉はセイロ蕎麦に限る」というのが身も蓋もない結論で、ガレット愛は鎮火気味です。
自宅最寄りの新大久保は国際色豊かで韓国グルメが有名ですが、インドやネパール、スリランカの食材店も揃っています。店の前を通るだけで甘辛酸っぱいスパイスの複雑な香りが鼻孔をくすぐります。先日ついに入店、1つ200円でインド名物料理の野菜サモサの揚げたてと、ガレットのような丸く薄い10枚入りで冷凍された “謎生地” を買ってみました。レシピ通りフライパンで両面を焼き、まずは何もつけずに試食したところ、
「ん、これはいける!」
という事で、エメンタールチーズをたっぷりスライスしてハモンセラーノとルッコラを真ん中に配置してくるくる巻いてみました。一口食べて家内と顔を見合わせ「おいしいね!」とアイコンタクト。まずまず成功といったところですね。
5月7日の「コナモンの日」から1ヵ月近く遅れではありますが、新たな発見がありました。ちょっとした好奇心で、コナモンの奥深い魅力はまだまだ開拓できそうです。
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